美容師の腱鞘炎対策|悪化させない予防法とセルフケア

働きやすいサロン環境

美容師の腱鞘炎対策|悪化させない予防法とセルフケア

ハサミを持つ手に走る鋭い痛みや、シャンプー時の手首のだるさ。多くの美容師が抱える「腱鞘炎」の悩みは、仕事を続ける上で深刻な問題です。原因と本当の理由を知らないまま、ただ「安静に」という常識を信じていませんか?

実は、その対策が症状を悪化させている可能性もあります。なりかけのサインと初期症状を見逃さず、悪化させるNG行動を避けることが重要です。この記事では、対策に関する常識の嘘を解き明かし、逆効果な筋トレではなく正しい鍛え方、意味のないストレッチではない効果的なケアとマッサージを解説します。

さらに、仕事前後のコンディショニングや悪化させない休日の過ごし方、サポーターの正しい選び方、シザーワークのフォーム改善といったプロの技術まで網羅。道具の見直しから美容師生命を伸ばす身体作り、サロン全体で取り組むべき対策まで、本質的な美容師の腱鞘炎対策をお伝えします。

  • 腱鞘炎の本当の原因と正しい知識が身につく
  • 間違った対策を避け、効果的なセルフケア方法が分かる
  • 日々の業務で手首の負担を減らす具体的な技術が学べる
  • 美容師として長く健康に働くための予防策を実践できる

著者プロフィール

松田圭三 プロフィール写真

松田 圭三(まつだ けいぞう)

株式会社BAL 代表 / 現役理容師

はじめまして。株式会社BAL(バル)代表の松田圭三です。

平成元年に理容師免許を取得して以来、30年以上にわたり「HAIRZ SHIN」のサロン現場に立ち続ける現役の理容師です。

日々のサロンワークで感じる「もっとこうだったら良いのに」という現場の切実な声を形にするため、「理美容快適研究室」= 株式会社BAL を設立しました。

机上の空論ではなく、私自身が今も現場に立ち続けるからこそ見える「リアルな課題」と「本当に役立つ解決策」を、このブログで発信していきます。

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美容師の腱鞘炎対策|常識を疑い原因を知ることから

  • 原因と本当の理由、なりかけのサインと初期症状
  • 対策に関する常識の嘘と「安静に」が間違いである理由
  • 悪化させるNG行動と逆効果な筋トレの正しい鍛え方
  • 意味のないストレッチはNG|効果的なケアとマッサージ
  • 仕事前後のコンディショニングと悪化させない休日の過ごし方

原因と本当の理由、なりかけのサインと初期症状

原因と本当の理由、なりかけのサインと初期症状
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美容師の職業病ともいえる腱鞘炎は、多くの方が経験する辛い症状です。しかし、その原因を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。まずは、腱鞘炎がなぜ起こるのか、そのメカニズムから見ていきましょう。

腱鞘炎は、指や手首を動かすための「腱(けん)」と、それを包んで動きを滑らかにする「腱鞘(けんしょう)」の間で炎症が起きる状態を指します。美容師の仕事は、シザーの開閉、シャンプー、ドライヤーの操作など、指と手首を繰り返し使う動作が非常に多いです。

そのため、腱と腱鞘が何度もこすれ合い、摩擦によって炎症や腫れが生じやすくなります。これが痛みの主な原因です。つまり、特定の動作の繰り返しによる「使いすぎ」が根本的な理由といえます。

見逃さないで!腱鞘炎のなりかけサイン

本格的な痛みになる前に、体はサインを出しています。以下の初期症状に気づいたら、早めの対策が必要です。

  • なんとなく手や手首がだるい、重い感じがする
  • 朝起きた時に指がこわばり、動かしにくい
  • 特定の動き(ハサミを開く、タオルの絞るなど)で軽い違和感や痛みがある
  • スマホ操作やPC作業で疲れやすくなった
  • 手首や指の付け根を押すと、軽い痛みを感じる

これらのサインは、疲労が蓄積している証拠です。放置すると、ドケルバン病(手首の親指側に強い痛みが出る)や、ばね指(指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなる)といった具体的な症状に進行する可能性があります。

日本整形外科学会によると、これらの症状は妊娠・出産期の女性や更年期の女性にも多く見られるとされています。ホルモンバランスの変化が関係していると考えられており、日々のケアが一層重要になります。

「ただの疲れだろう」と軽視せず、自分の体の小さな変化に気づくことが、腱鞘炎を防ぐ第一歩です。もし強い痛みや腫れが続く場合は、自己判断せずに専門の医療機関を受診することをお勧めします。(参照:日本整形外科学会公式サイト

対策に関する常識の嘘と「安静に」が間違いである理由

対策に関する常識の嘘と「安静に」が間違いである理由
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手首に痛みを感じたとき、多くの人が「安静にしていれば治る」と考えがちです。確かに、炎症が非常に強く、熱を持っているような急性期には、患部を休ませることが最も重要です。

しかし、この「安静に」という言葉を鵜呑みにして、長期間まったく動かさないでいると、かえって回復を遅らせることがあります。これが、腱鞘炎対策における一つの「常識の嘘」です。

長期間動かさないでいると、筋肉が硬直し、血行が悪くなってしまいます。血行不良は、痛みの原因物質を排出し、組織の修復に必要な栄養を届ける働きを阻害します。その結果、痛みが慢性化しやすくなるのです。

 

本当の対策は、症状の段階に合わせた対応をすることです。

症状の段階 主な症状 適切な対応
急性期 強い痛み、熱感、腫れがある 安静とアイシングが基本。無理に動かさず、炎症を抑えることを最優先する。
慢性期 動かすと痛むが、熱感や強い腫れはない 血行促進が重要。ゆっくりとしたストレッチや、ぬるま湯で温めるなど、適度に動かし始める。

つまり、「安静に」が有効なのは、あくまで症状が出始めた直後の急性期に限られることが多いのです。痛みが少し落ち着いてきた慢性期に入ったら、今度は逆に固まった筋肉や腱を優しく動かし、血流を改善させるアプローチが必要になります。

もちろん、痛みを我慢して無理に動かすのは厳禁です。しかし、「痛いから怖い」と全く動かさないでいると、回復の機会を逃してしまう可能性があることを覚えておきましょう。自分の症状がどの段階にあるのかを見極め、適切なケアを選ぶことが大切です。

悪化させるNG行動と逆効果な筋トレの正しい鍛え方

悪化させるNG行動と逆効果な筋トレの正しい鍛え方
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良かれと思ってやっているセルフケアが、実は症状を悪化させているケースは少なくありません。ここでは、美容師がやりがちなNG行動と、筋トレに関する誤解を解き明かします。

自己流のケアはリスクを伴うため、注意が必要です。特に痛みが強いときの間違ったアプローチは、炎症を助長させる原因となります。

今すぐやめて!腱鞘炎を悪化させるNG行動
  • 痛い場所を強く揉む・マッサージする:炎症を起こしている部分を強く刺激すると、組織の損傷を広げてしまう可能性があります。気持ち良いと感じても、後で痛みがぶり返すことが多いです。
  • 痛みを我慢して仕事を続ける:「このくらい大丈夫」と無理を続けると、小さな炎症が慢性化し、治りにくい状態に陥ります。
  • 熱感があるのに温める:急性期で熱を持っている患部を温めると、血流が過剰に促進され、炎症と腫れが悪化します。
  • 就寝中に手首が不自然な角度で固定される:寝ている間に手首が曲がったままになると、腱鞘への圧迫が続き、朝の痛みの原因になります。

また、「手首を強くすれば腱鞘炎は予防できる」と考え、手首を鍛える筋トレに励む方もいます。しかし、これもやり方を間違えると逆効果です。

例えば、重いダンベルを持って手首を上下させるようなトレーニングは、腱に直接的な負担をかけ、かえって炎症を引き起こす可能性があります。腱鞘炎の予防や改善で重要なのは、手首そのものを鍛えることではありません。

本当に鍛えるべきなのは、手首を支える「前腕の筋肉」や、腕全体の動きをコントロールする「肩甲骨周りの筋肉」です。これらの筋肉が正しく使えるようになると、結果的に手首への負担が軽減されます。

手首を守るための正しいトレーニング
    1. 前腕のストレッチ:手のひらを上に向け、もう片方の手で指先を掴み、ゆっくりと手前に引く。次に手の甲を上に向け、同様に指先を掴んで手前に引く。それぞれ30秒ほどキープします。
    2. 肩甲骨を寄せる運動:背筋を伸ばし、両腕を軽く広げます。息を吐きながら、左右の肩甲骨を中央にゆっくりと寄せて5秒キープ。これを10回繰り返します。
    3. グーパー運動:腕を前に伸ばし、指を力強く「グー」の形に握り、次に思い切り「パー」の形に開きます。これをリズミカルに20回ほど繰り返すことで、前腕の血行を促進します。

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これらの運動は、手首に直接的な負荷をかけずに、周辺の筋肉の柔軟性と血流を改善するのに役立ちます。痛みがあるときは無理せず、気持ち良いと感じる範囲で行ってください。

意味のないストレッチはNG|効果的なケアとマッサージ

意味のないストレッチはNG|効果的なケアとマッサージ
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ストレッチやマッサージは腱鞘炎のケアに有効ですが、やり方を間違えると「意味のないストレチャー」どころか、症状を悪化させる原因にもなりかねません。重要なのは、「いつ」「どこを」「どのように」ケアするかです。

痛みのピークである急性期に、患部を直接グリグリと強く押したり、無理やり伸ばしたりするのは絶対に避けるべきです。炎症が悪化し、回復が大幅に遅れてしまいます。

効果的なケアは、まず炎症を抑えることから始まります。熱感や腫れがある場合は、15分程度のアイシングが推奨されます。ビニール袋に氷と少しの水を入れ、タオルで包んで患部に当てましょう。

 

痛みが落ち着いてきた慢性期には、血行を促進するためのケアに切り替えます。この段階で、ようやくストレッチやマッサージが効果を発揮し始めます。

しかし、ここでも注意が必要です。痛い手首や指を直接伸ばすのではなく、負担をかけている原因となっている「前腕の筋肉」をほぐすことがポイントです。シザーの開閉やシャンプーで酷使されるのは、指や手首だけでなく、肘から手首にかけての前腕の筋肉だからです。

前腕の筋肉をほぐす効果的なセルフマッサージ
  1. 楽な姿勢で椅子に座り、マッサージする方の腕の肘を太ももの上に置きます。
  2. もう片方の手の親指や指の腹を使い、前腕の筋肉(肘と手首の間)を優しく押していきます。
  3. 「少し痛いけど気持ちいい」と感じる硬い部分を見つけたら、そこを10秒ほど持続的に圧迫します。
  4. 特に、シザーを持つ手で酷使される親指の付け根から肘にかけてのラインは、念入りにほぐしましょう。

このマッサージは、お風呂上がりなど体が温まっている時に行うとより効果的です。強い力は必要ありません。あくまで「優しく、ゆっくり」を心がけてください。

また、ストレッチも同様に前腕を意識します。片方の腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けます。もう片方の手で指先をつかみ、ゆっくりと手前に引き、前腕の内側が伸びるのを感じてください。

次に、手の甲を上にして同様に行い、前腕の外側を伸ばします。どちらも痛みのない範囲で30秒ほどキープするのが目安です。これらのケアを日々の習慣に取り入れることで、筋肉の柔軟性を保ち、腱への負担を軽減できます。手荒れが気になる方は、こちらの美容師の手荒れ対策|つらい悩みを根本から解決する方法も参考にしてみてください。

仕事前後のコンディショニングと悪化させない休日の過ごし方

仕事前後のコンディショニングと悪化させない休日の過ごし方
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美容師の腱鞘炎対策は、サロンにいる時間だけで完結するものではありません。仕事のパフォーマンスを維持し、症状を悪化させないためには、仕事前後のコンディショニングと、休日の過ごし方が非常に重要になります。

まず、仕事前のコンディショニングです。朝、起きたばかりの体は筋肉も関節も硬くなっています。その状態でいきなりハードな業務に入ると、怪我のリスクが高まります。出勤前や朝礼の合間に、簡単な準備運動を取り入れましょう。

 

仕事前のウォームアップ例:

  • 手首をゆっくり内外に回す(各10回)
  • 指を一本ずつ丁寧に反らせて伸ばす
  • 肩を大きく回して、肩甲骨周りの筋肉をほぐす
  • ぬるま湯に数分間手を浸けて、血行を良くする

これらの簡単な動きで筋肉を目覚めさせ、一日の負担に備えることができます。

 

そして、一日頑張った手や腕をいたわる、仕事後のクールダウンも同じくらい大切です。疲労を翌日に持ち越さないために、ケアを習慣化しましょう。

仕事後のクールダウン例:

  • 軽い痛みや熱っぽさを感じる場合は、アイシングで炎症を抑える
  • 前腕や指のストレッチをゆっくりと行う
  • 湯船に浸かり、全身の血行を促進する
  • 保湿クリームを塗りながら、優しくセルフマッサージをする

これらのオン・オフの切り替えが、腱鞘炎の予防と改善の鍵を握ります。

要注意!腱鞘炎を悪化させる休日の過ごし方

「休日は手を休ませよう」と思っていても、無意識に負担をかけていることがあります。

  • 長時間のスマートフォン操作:親指や手首に大きな負担がかかります。タイマーをセットするなど、時間を区切って使いましょう。
  • ゲームやパソコン作業:同じ姿勢で指や手首を酷使する行為は、休日でも避けたいところです。
  • 手芸やDIYなど、指先を細かく使う趣味:これも仕事と同じく、腱への負担となります。楽しむ際は、こまめな休憩を挟みましょう。

せっかくの休日に手を使いすぎては、疲労がリセットされません。散歩や映画鑑賞、友人とのおしゃべりなど、なるべく手を使わないリフレッシュ方法を見つけることも、大切なセルフケアの一つです。

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プロが実践する美容師の腱鞘炎対策|技術と環境改善

  • サポーターの正しい選び方と手首の負担を減らす方法
  • シザーワークのフォーム改善とベテランが実践する働き方
  • 道具の見直し|ハサミ選びとシャンプー・ドライヤーのコツ
  • 美容師生命を伸ばす身体作りと予防法・再発防止策
  • スタッフを守る知識とサロンで取り組むべき対策

サポーターの正しい選び方と手首の負担を減らす方法

サポーターの正しい選び方と手首の負担を減らす方法
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腱鞘炎の痛みを和らげ、悪化を防ぐためにサポーターを活用する美容師は多いです。しかし、自分の症状や目的に合わないものを選ぶと、効果が半減したり、かえって動きにくくなったりすることもあります。

サポーターの主な目的は、「固定」「保温」「圧迫」の3つです。どれを重視するかによって、選ぶべきタイプが変わってきます。

サポーターの種類 主な目的 向いているシーン 注意点
ハードタイプ 固定。手首の動きを制限し、安静を保つ。 痛みが強く、安静が必要な時(就寝中や仕事以外の時間) 動きがかなり制限されるため、営業中の使用は難しい場合がある。
ソフトタイプ 保温・圧迫。筋肉を温め、血行を促進。適度な圧迫で安心感を得る。 慢性的な痛みやだるさがある時。予防目的での使用。 固定力は弱いため、強い痛みの抑制効果は限定的。
テーピングタイプ 動きの補助。筋肉の動きをサポートし、特定の動作を楽にする。 仕事中に特定の動き(例:カット)で痛みが出る場合。 正しく貼るには知識と技術が必要。かぶれに注意。

 

営業中に使用する場合は、シザーワークなどを妨げない、伸縮性の高いソフトタイプやテーピングタイプが適しています。一方、痛みが強く、少しでも動かすと辛い場合は、仕事以外の時間や就寝中に、プレート入りのハードタイプでしっかり固定すると、痛みの軽減が期待できます。

サポーターを選ぶ際は、ドラッグストアなどで試着し、フィット感や素材、固定力の強さを確認することが大切です。信頼できるメーカーの製品情報も参考にすると良いでしょう。(例:ザムスト公式サイト 手首サポーター)

サポーター使用時の注意点

サポーターは便利なアイテムですが、頼りすぎには注意が必要です。四六時中つけていると、その部分の筋肉が使われなくなり、かえって筋力が低下してしまう恐れがあります。

また、締め付けが強すぎると血行不良の原因にもなります。「痛みが辛い時だけ」「負担がかかる作業の時だけ」など、メリハリをつけて使用することが、サポーターを効果的に活用するコツです。

シザーワークのフォーム改善とベテランが実践する働き方

シザーワークのフォーム改善とベテランが実践する働き方
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毎日のシザーワークは、美容師の手首に最も負担をかける動作の一つです。しかし、少しフォームを意識するだけで、その負担は大きく軽減できます。新人時代に教わったフォームが、知らず知らずのうちに自己流になり、手首に無理をさせているかもしれません。

見直すべきポイントは、「手首の角度」です。カット中、手首が必要以上に曲がったり、ひねられたりしていませんか?理想は、手首をできるだけまっすぐに保ち、腕全体や肩、体幹を使ってハサミを動かすことです。

手首だけで細かく操作しようとすると、腱に直接的なストレスがかかります。肘や肩を起点にして、腕全体をしなやかに使う意識を持つだけで、手首への負担は驚くほど軽くなります。

 

また、ベテラン美容師は、単に技術力が高いだけでなく、体の使い方や力の抜き方が上手です。彼らが無意識に実践している「省エネな働き方」には、腱鞘炎を防ぐヒントが詰まっています。

ベテランが実践する負担を減らす働き方
  • 無駄な力を抜く:ハサミを握る力、コーミングする力など、必要以上の力が入っていませんか?常にリラックスを意識し、最小限の力で作業することを心がけます。
  • 予約の合間に小休憩:お客様が入れ替わるほんの数分でも、座って腕をだらんとさせたり、軽いストレッチをしたりして、意識的に手を休ませています。
  • アシスタントとの連携:シャンプーやドライなど、任せられる作業は積極的に任せることで、自身の負担を分散させています。これはチームワークの向上にも繋がります。
  • 立ち位置を工夫する:無理な体勢でカットを続けないよう、自分の立ち位置をお客様に合わせてこまめに変え、腕や手首が自然な角度でいられるように調整します。

これらの工夫は、日々の生産性を維持しながら、体を守るための知恵です。自分の働き方を見直し、改善できる点がないか探してみましょう。スタイリストとしての成長に行き詰まりを感じている方は、スタイリスト売上伸び悩みを解決!思考から変える新常識の記事も、新しい視点を得るきっかけになるかもしれません。

道具の見直し|ハサミ選びとシャンプー・ドライヤーのコツ

道具の見直し|ハサミ選びとシャンプー・ドライヤーのコツ
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毎日使う道具だからこそ、その選択と使い方が体への負担を大きく左右します。腱鞘炎の予防・改善のためには、一度自分の商売道具を見直してみることを強くお勧めします。

最も重要なのは、やはりハサミ(シザー)です。切れ味の落ちたハサミを使い続けると、余計な力が必要になり、手や指への負担が倍増します。定期的なメンテナンスは必須です。

 

ハサミを新調する、あるいは買い足す際に注目したいポイントは以下の通りです。

  • 軽さ:長時間持っていても疲れにくい、軽量なモデルを選びましょう。数グラムの違いが、一日の終わりには大きな差となって現れます。
  • ハンドルの形状:自分の手にフィットするものを選ぶことが重要です。特に「オフセットハンドル」や「3Dハンドル」は、手首をまっすぐに保ちやすく、負担を軽減する設計になっています。
  • 切れ味:言うまでもありませんが、髪の毛が逃げずにスムーズに切れる、切れ味の良いハサミは、最小限の力でカットすることを可能にします。

次に、シャンプーやドライヤーの時の工夫も大切です。特にシャンプーは腰だけでなく、手首にも負担がかかります。

手首を曲げた状態でゴシゴシ洗うのではなく、指の腹を使い、腕全体で円を描くように洗うことを意識してみてください。また、バックシャンプーの際は、肘を脇腹につけて安定させると、手首のブレが少なくなり負担が減ります。

ドライヤーも、重いモデルを使い続けていると手首や肩への負担が蓄積します。最近は軽量でハイパワーな製品も多く登場しています。買い替えの際は、重さ(グラム数)を必ずチェックしましょう。また、ドライヤーを持つ際は、手首を固定し、肘の曲げ伸ばしでブローする癖をつけると、手首への負担を減らせます。

シャンプー時の姿勢や腰痛に悩んでいる方は、こちらの理美容師の腰痛対策!シャンプー時の姿勢から見直そうの記事で、より詳しい対策を紹介していますので、ぜひご覧ください。

美容師生命を伸ばす身体作りと予防法・再発防止策

美容師生命を伸ばす身体作りと予防法・再発防止策
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腱鞘炎の対策は、痛みが出たときだけ行う対症療法では不十分です。美容師として長く健康に働き続けるためには、そもそも腱鞘炎になりにくい身体を作り、日々の生活の中で予防を習慣化することが不可欠です。

手首や指の問題でありながら、その根本には全身のコンディションが大きく関わっています。例えば、猫背や巻き肩といった悪い姿勢は、肩甲骨の動きを妨げ、腕全体の血行不良を引き起こします。その結果、末端である手首や指に負担が集中しやすくなるのです。

美容師生命を伸ばすためには、手先だけでなく、体幹や下半身を含めた全身のトレーニングが有効です。強い体幹は正しい姿勢をキープする土台となり、肩や腕の無駄な力みを解消してくれます。

腱鞘炎になりにくい身体を作る習慣
  • 体幹トレーニング:プランクやスクワットなど、週に2〜3回、短時間でも良いので取り入れ、体の軸を安定させましょう。
  • 全身のストレッチ:特に肩甲骨周りや股関節など、大きな関節の柔軟性を高めることで、全身の連動性が向上し、末端への負担が減ります。
  • バランスの取れた食事:筋肉や腱の材料となるタンパク質、血行を促進するビタミンE、炎症を抑える効果が期待されるオメガ3脂肪酸などを意識して摂取しましょう。
  • 質の高い睡眠:睡眠中は、日中に傷ついた組織が修復される最も重要な時間です。十分な睡眠時間を確保し、体をリセットさせましょう。

一度腱鞘炎になってしまうと、再発しやすいという特徴があります。そのため、痛みがなくなった後も、予防策を継続することが非常に重要です。

再発防止の鍵は「習慣化」です。仕事前後のストレッチやケアを、歯磨きと同じように毎日のルーティンに組み込んでしまいましょう。「今日は疲れたからいいか」という一日が、再発の引き金になることもあります。

自分の体を「一生付き合っていく大切な仕事道具」と捉え、日々のメンテナンスを怠らない意識を持つことが、長く愛される美容師であり続けるための秘訣です。

スタッフを守る知識とサロンで取り組むべき対策

スタッフを守る知識とサロンで取り組むべき対策
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腱鞘炎は、個人の努力だけで解決するには限界がある問題です。スタッフが健康で長く働ける環境を整えることは、サロン経営者や店長の重要な責務と言えます。スタッフの健康問題は、最終的にサロンの生産性や離職率に直結するからです。

まず、経営者自身が腱鞘炎のリスクや正しい対策についての知識を持つことがスタートラインです。その上で、サロンとして以下のような具体的な対策に取り組むことが望まれます。

サロン全体で取り組むべき腱鞘炎対策
  • 定期的な健康ミーティングの実施:体の不調について気軽に相談できる場を設けます。スタッフ同士で効果的なケア方法を情報交換する機会にもなります。
  • 負担の少ない設備の導入:軽量ドライヤーや、高さ調節が容易なシャンプー台(フルフラットタイプなど)への投資は、長期的に見ればスタッフの健康維持と定着に繋がります。
  • 道具購入の補助制度:体に合った高機能なハサミやコームは高価な場合が多いため、購入費用の一部をサロンが補助する制度は、スタッフのモチベーションと健康の両方をサポートします。
  • 無理のない予約スケジュールの管理:休憩時間を確実に確保し、一人ひとりのスタッフに過度な負担がかからないよう、予約の詰めすぎに注意します。
  • 専門家による研修の実施:理学療法士やトレーナーを招き、正しい体の使い方やセルフケアに関する研修会を開くことも非常に有効です。

これらの取り組みは、単なるコストではなく、「人財」への投資です。スタッフが「このサロンは私たちの体を大切にしてくれる」と感じることは、エンゲージメントを高め、離職率の低下に大きく貢献します。

また、労働者の健康確保については、国も様々な情報を提供しています。例えば、独立行政法人労働者健康安全機構では、職業性疾病の予防に関する情報などを公開しており、サロン運営の参考になります。(参照:独立行政法人 労働者健康安全機構

スタッフの健康を守ることは、サロン全体の雰囲気を良くし、お客様へのサービス品質向上にも繋がる好循環を生み出します。福利厚生の一環として健康支援を考えるなら、美容室の福利厚生を充実!求人と定着率を変える制度の記事も大いに役立つでしょう。

本質的な美容師の腱鞘炎対策とは

この記事では、美容師の腱鞘炎について、原因から具体的な対策までを多角的に解説してきました。最後に、本質的な対策とは何か、記事全体の要点をリスト形式でまとめます。明日からの行動の参考にしてください。

  • 腱鞘炎の主な原因は、同じ動作の繰り返しによる腱と腱鞘の摩擦(使いすぎ)です。
  • 「なんとなく手がだるい」「朝、指がこわばる」といった初期症状を見逃さないことが重要です。
  • 「安静に」が有効なのは急性期のみ。慢性期には適度に動かし血行を促進することが回復の鍵です。
  • 痛い場所を強く揉んだり、痛みを我慢して仕事を続けたりするのはNG行動です。
  • 手首を直接鍛える筋トレは逆効果。鍛えるべきは「前腕」と「肩甲骨周り」の筋肉です。
  • ストレッチやマッサージは、痛い手首ではなく、負担の原因である前腕の筋肉を優しくほぐすのが効果的です。
  • 仕事前には軽い準備運動で筋肉を目覚めさせ、仕事後にはアイシングやストレッチでクールダウンを習慣化しましょう。
  • 休日にスマホやゲームで手を酷使しないよう注意し、手を使わないリフレッシュ方法を見つけましょう。
  • サポーターは目的に合わせて選ぶことが大切。固定力の強いハードタイプと、保温・圧迫が目的のソフトタイプを使い分けましょう。
  • サポーターに頼りすぎると筋力低下を招くため、必要な時だけ使うメリハリが大切です。
  • シザーワークでは手首をまっすぐに保ち、腕全体や体幹を使ってハサミを動かすことを意識しましょう。
  • ハサミは「軽量」「フィットするハンドル」「良い切れ味」を基準に選び、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
  • シャンプーやドライヤーも、手首ではなく腕全体を使う意識を持つことで負担を軽減できます。
  • 腱鞘炎になりにくい体を作るため、体幹トレーニングや全身のストレッチを日々の生活に取り入れましょう。
  • サロン経営者は、スタッフの健康を守る知識を持ち、負担の少ない設備の導入や無理のないスケジュール管理など、組織的な対策を講じることが求められます。

「シャンプーが辛い…」
その“本音”が、スタッフの離職率を上げていませんか?

手荒れ、腱鞘炎、腰痛…。
アシスタントが最初にぶつかる「シャンプーの壁」は、想像以上に高く、離職の大きな原因となっています。

もし、その負担をゼロにできたら?

  • スタッフの身体的負担(手首・腰)を劇的に軽減
  • 新人でも入店初日から、お客様を満足させるプロの洗い心地に
  • 教育時間を短縮し、スタッフの早期戦力化と定着率アップに貢献

「働きやすさ」が、お客様の満足度に直結する時代です。
スタッフが辞めないサロン作りの第一歩を、今すぐご覧ください。

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